今回は男料理の延長線で、年末年始に欠かせない商材である鮭をあらためて種類や特徴を紹介して行きます。
海の無い長野県は北信から東信地域にかけては贈答用に鮭を送る風習があります。東信地域は真田氏の居城でもある上田城がある武家社会の地域です。
そのためか古くから贈答用新巻鮭は並々ならぬこだわりがあります。やはり大きく立派で無ければ鮭じゃないと❗
武士の意地でしょうか😁
門前町の北信地域とはまた違った文化です。
今回はそんな東信地域で販売させていただいた鮭をご紹介させていただきたいと思います❗
鮭の種類は
- 新巻鮭
- 新巻鮭【目近】
- 時鮭【北海道】
- 時鮭【ロシア】
- 紅鮭
- キングサーモン
新巻鮭【白鮭】
秋に北海道で水揚げされるため【秋鮭】と呼ばれます。エラ切りと腹だしをしセミドレスし粗塩を振ったもの。9月から12月前半まで北海道全域で水揚げされます。時期が早いほど身質は良いですね。特に宗谷岬から雄武地方かけて水揚げされる魚は良いとされます。ただし有名な産地であっても河口に近い場所の水揚げの魚は必ずしも良いとは言いきれないので注意です。
基本的には沖獲りの魚であれば問題無いです。
私は枝幸から落石にかけての沖獲りを中心に買い付けを行っています。水揚げが安定しているのと鮮度面が高いからですね✨
新巻鮭【目近】
新巻鮭の中でもっとも早く回帰する魚でなおかつ沖獲りの魚です。宗谷岬から雄武地方に限って水揚げされる一部の魚を【目近】と呼ばれます。ブランド品でタグ付きで販売されます。水揚げは1000匹に1匹の割合と少ないです。特徴として新巻鮭に比べ優しい顔つきで色も黒々としていて様相はまるで【時鮭】と間違えるほどです。
東信地域の鮭の入荷は約7000本近くあったにも関わらず、【目近】の入荷はたった21本でしたので希少性が伝わります。
時鮭【北海道】
新巻鮭【白鮭】と同じ魚です。【時鮭】はその生涯を終えるために回帰する【秋鮭】とは違います。分かりやすく言えば子供から青年と言った感じです。【時鮭】は餌を求めカムチャッカ半島から太平洋にかけて回遊をしています。その回遊ルートで北海道を通るため水揚げされます。水揚げ時期は4月から6月になります。新巻鮭と違いしっかり栄養を蓄えているため非常に脂のりが良く値段も高価になります。
時鮭【ロシア】
カムチャッカ半島にて水揚げされた鮭です。新巻鮭と同じ【白鮭】です。ただし、北海道で水揚げされる【時鮭】に比べて身質は落ちます。おそらく【目近】に近い魚なのかもしれません。ロシアではいくらの方に評価が高いため現地使用や輸入向けに水揚げを行い、魚は日本国内向けに販売を行っているのかもしれません。国産【時鮭】の状況が悪い場合、代替品として用いられます。
紅鮭【ロシア】
時鮭【ロシア】同様に同じ時期に水揚げされます。天然の鮭ではもっとも脂があります。身質も名前の由来通り紅色をしています。水揚げはロシアからアメリカが主です。水揚げは圧倒的にアメリカが多いとされますが水揚げが多く現地処理が煩雑になりやすい事からロシアの方が評価は高いです。ロシアは沖獲りが多くその場で活締めするため鮮度が良いです。
ただしアメリカのカッパーリーバーやピューゼットで水揚げされた鮭は最高峰の紅鮭と呼ばれます。ロシアを上回ります。昨年までは私も取り扱いがありましたがコロナ渦にて入荷も激減したため現在は扱いがありません。
キングサーモン【鱒之助】
ニュージーランド産の養殖です。非常に脂のりが良い魚です。天然の脂では無いですがとにかく脂たっぷりの魚を食べたい方にはオススメです。銀鮭以上の身質と考えて良いと思います。現在は圧倒的に銀鮭が人気で万人受けしています。そのため銀鮭が好きな方には【キングサーモン】はさらに美味しく感じられるのではと思います。魚屋の私としては養殖よりは天然物を楽しみたい為少し疎遠な魚ですが…。北海道でも天然の【キングサーモン】が水揚げされます。20キロ以上にも育つため鮭の王様と呼ばれます。
以上になります。
今回は年末年始に贈答用として好まれる鮭を中心にご紹介でした。
是非、ご賞味してみてはいかがでしょうか✨
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