今回は長野県でルアー製作をされているSHYU-さんをご紹介させていただきます。
ロッド
メーカー不明の4.6ft ファーストテーパー。 フェルールタイプ。※綱ぎめロッド
源流で転倒した際など破損リスクを考え、張りが有って なるべくリーズナブルなモノで探してた所 ネットで見つけ即決。加えてブランクスをカスタム出来る所も気に入ってます。※ブランクスとは ロッドの材質になります。グラス・カーボンなどの素材を総称してブランクスと言われてます。もっと分かりやすく言うとすればグリップより先端側のガイドが付いている部分の材質といったらよいでしょうか。
カスタム出来るメリット色んなテーパー(硬さ・調子)を楽しめる事です。
取り付け穴径が合えば 市販品でもロッドビルドしてもいけるので グリップ一つで色んなタイプに変更出来るのは 先々楽しいかと考えての選択になります。
オススメのブランクスですが、好みが別れる所になると思いますが強いて言えば下記が判断基準となるかと思います。

ちなみに、私はカーボンが好みです。
リール
DAIWA REVROS2000S
ロッドと同じ考えで購入。
ライン
VARIVAS SUPERTROUT×4
リーダー フロロ4Lb
ルアー
ハンドメイド
自分で作ったもので釣れたら楽しいだろうな!と思いハンドメイドのみ使っています。
渓流釣りを始めたきっかけ
同僚に渓流ルアーを作ってとお願いされ その流れで初めたのがきっかけです。
渓流釣りで思い出の魚はありますか
渓流自体 初心者で 何れもが新鮮で 全てが思い出です。
今後釣ってみたい魚はありますか
まだ見ぬアマゴ ブラウントラウト サクラマス サツキマスですかね。
普段はどのような場所で釣りしてますか
渓流釣りの楽しさは
季節と共に変化する渓相と絶景は 釣れなくともリフレッシュ出来るところと こんな所と思える場所でも釣れる事。
狙うポイントは意識する場所は
水深・流れ・障害物
渓流釣りの難しさと気をつける事は
①狙うポイントとの距離感とルアーを通すコースは特に意識してます。
②先行者の有無と魚の活性。
③退渓の容易さ
④安全性(怪我だけはなるべく避けたいので。)
渓流釣りを始めたい方に一言アドバイスを
先日 サンダルで源流釣行されてる若者が高巻きする姿を見かけましたが、怪我のリスク爆上がりです。折角の絶景も怪我をしては楽しむ所では無くなりますので、最低限の装備は揃え 無理せず楽しんで下さい。
最後に渓流釣りについて一言
最高の景色と最高の一匹がたまらない‼️
ルアー製作に関して赤裸々に語っていただきました❕
ルアー製作を始めたきっかけ
以前までバスマンでした。
大きな大会とかでは無いですが、バス協会が主催で野尻湖での釣りを楽しんでいました。
その頃はもう20年前でしたが。当時はバス釣りに明け暮れ船舶免許を取って仲間と船を予約したり、必要以上にタックルを用意したり懐かしい思い出です。当時は市販のルアーで狙っていましたが、ふと自身でもこんなルアーを作ってみたいな衝動にかられた事がきっかけです。

初めて製作したのがトップウォータープラグでした。
トップウォータープラグは沈めて泳がすアクションのルアーとは違い、水面を滑らかに泳がす事に重きを置いたタイプです。そのため泳ぐ瞬間を直接見ることができます。故に自身の操作性を一番に感じられるルアーです。製作方法で大きな差がでルアーでもあるので強く魅力を感じました。当時は簡単な作りではありましたが初めて自身で作ったものでバスが釣れた感動は忘れられませんでした。
結果、今でもルアービルドを続けているんだと思います。※バスマンとはブラックバスを釣る人を呼ぶ愛称です。ヘラ師や鮎師なども同じです。
バスマンから渓流釣りに転身⁉渓流ルアー製作へ
ブラックバスが特定外来種に指定されるようになってからは、バス釣り禁止の場所が多くなり近場で気軽に釣りを楽しめる場所が無くなってしまったことと、子供が産まれた事をキッカケに辞めてました。とは言え、趣味の一つとしてルアーの製作は続けていました。
最近はYouTubeの普及から長野県内でも渓流釣りを取り上げている釣り人が多いんですよね。私の住んでいる東信地区は有名なYouTuberの方もいますので職場の若い後輩が影響を受けていましたね。それまでは職場でのたわいない会話だけだったんですが【一緒に渓流釣り行きましょうよ!先輩ルアー作ってるんですよね作ってもらえませんか?】きっかけに渓流ルアーの製作の依頼を受け付けました。
渓流ルアーのイメージは初心と変わらず
渓流ルアーを製作する上でも常にイメージしていたのは当時のトップウォータープラグでした。
渓流の強い流れにも耐え、滑らかに動かしたいという思いが強かったです。そのため、水よりも比重が軽いとされる軟木【バルサ桐】を使用を選びました。ちなみにルアーに必要な材料ですが、一般的に硬木(バスウッドなど)と軟木(バルサ 桐)が有ります。(バルサ 桐)の特徴としては加工が容易であるという事も理由の一つでした。
※バルサとういう材質は木材の中で世界一軽いと言われている。加工しやすい材質で釣具以外には模型飛行機でも使用されています。
渓流ルアー製作に必要な物とは
【必要なモノ】
・加工用具(カッターナイフ)
・瞬間接着剤
・錘(鉛 タングステン)
・ステンレスワイヤー
・ベンチ
・サンドペーパー
・溶剤(セルロース)※ブラスチック並みに硬くする為です。
・塗料(水性など)
簡単にこれらが有れば 制作できます。
製作過程に関して
簡素化した製作の過程です。

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バルサの比重の計算を行います。
バルサの重さ÷面積=バルサの比重(浮力を割り出します。)
例縦幅5㎝÷横幅20㎝であれば計算上でバルサの比重は0.25g

例 0.3g(縁とり重さ)÷0.25g(バルサ比重)であれば1.2g
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1.2gでは1.2g以下の重さであれば浮く。逆に1.2g以上であれば沈む計算になります❕
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タングステンなど錘の位置を決めます。作り手によっては錘を固定式や移動式など異なります。
比重を後ろ重心にすれば飛距離アップになります。移動式アクション方法により沈み具合が変則的になるなど利点を活かせる場合もありますが一つと言って同じ物はないと言えます。
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ステレンスはりがねをマルペンチorループペンチで曲げていきます。
※錘の位置を意識して、はりがねを曲げる必要がります。
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瞬間接着剤で左右を固めます。

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セルロースでトップコーティングを行い固めていきます。
※トップコーティングを行い乾燥させる際は、結露や湿気が一番の天敵となるため、換気の行き届いた場所や冬場の乾燥した時期がルアー製作には向いてる時期となります。渓流が禁漁になった間に製作する方が多い理由はこれですね。ちなみにレジン・エポキシも可能だが塗装など耐久がセルロースに比べて落ちるため注意が必要です。

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コーティングを行い乾燥させます。

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エアーブラシで好みの塗装を行っていきます。

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再度 セルロースで硬めて完成です。
その他 作り方は様々ですが 私はこのやり方です。制作に概ね1ヶ月半~2ヶ月ほど要してます。
これらを経て今のモノが出来てます。
※補足としてバスウッドも使えなくは無いですが、一般的に比重が軽く加工しやすいバルサ材を使用してます。バルサは軽い分 アクションのキレが良くなる傾向に有るのも一つの要因になります。
プラスαとして木材の違いは
木自体の密度が密な為、繊維間の空間(空気室)がなく その分非常に硬く加工は容易では有りません。切り出しにはジグソー等の工具を使います。 材は必然的に比重が重くなり浮きにくい方向性になります(これ自体沈む訳では無いです)。
硬材の反対で 柔らかく繊維間の密度が多い為 比重が軽く 浮きやすい材料になります。 その分 水も吸いやすいです。
加工にはカッターナイフ等で容易に切り出し可能で初心者でも簡単に加工でき、サンドペーパーでも整形でします。
その他必要な道具【詳細】
市販されているステンレス製のモノを使用しています。 錆び難く硬い為 これを使用してます。 100均一でも有るので代用可能です。
市販の鉛やタングステンを使用します。鉛はアンカーで潰したり切ったりできますが 重くしたい場合 沢山の量を入れなくてはいけません。
一方タングステンは高比重で硬く、鉛に比べ小さいスペースに仕込めます。
私は市販されているモノを使用してます。
ルアーに仕込める形と重さをバルサをくり貫いたスペースに嵌め込み、瞬間接着剤で張り合わせ固定します。この時にワイヤーも一緒に張り合わせ固定です。
市販のサーキッドード・ポリカーボネートなど紫外線劣化が少ない耐光性あるモノを金切りハサミやカッターで好みの形に切り出し、完成したルアーに穴を空け、そこに接着剤を入れて差し込み固定します。角度によって操作性が変わります。一般的には、ウォブリングorローリングなどの動きの調整が可能です。※ウォブリングorローリングとはこちらから検索🔍 TSURIHACKより出典
40mm~65mmで作ってますが メインに50mmに制作してます。
仕込み重りですが、完成した時のルアー重さを考え1.5g~3.5gと その時造るルアーで変わります。
現在は、シンキング【メテオーラなど】ゆっくり沈んでいくイメージのルアーの製作依頼が多いですが基本的には依頼者と相談した上で取り組んでいきます。長野県外からも依頼を受ける事があるのですが知らない渓流をイメージして製作していくのは難しいですね。
ルアー製作についての本音を少し
既製品の影響は少なからずあるとは言え、基本的には自身が思い描いた形であったり、こんな風に泳がせたらとイメージしながら製作していきます。特に平打ち【ルアーが体を横に倒して泳ぐ事】を意識させたいと考えています。水中で優雅に泳ぐ渓流魚の流れるような動きを自身のルアーでアクションする事が出来たらどんなに嬉しいかと常に考えていますね。
最初に意識していたトップウォータープラグがよほど強かったんだと思いますね。当初は、釣りが好きな社内の同僚や先輩社員の要望からの製作が中心でしたね。それが徐々に口コミを頼りに依頼が増えるようになりました。趣味程度のルアー製作にもかかわらず問い合わせがあるのは嬉しいです。ただ、それと同時に嬉しい言葉の反面もありましたよね。【これって〇〇ルアーの真似ですよね?】とか。
既製品の影響はあったとしても、私の製作したルアーと既製品は全く違うんですよ。
製作方法も違ければカラーリング方法や模様も一つ一つ違います。
全く同じものは存在しないんですよ。オリジナルの代物なんです。
とは言え強くアピールするような事ではないですが、自身で製作したルアーを求めてくれる方々がいる事は嬉しいことです。こんなド素人のルアーなのに。ちょっと自虐的ですかねww
今後の目標
今はシンキング系のルアーを依頼される事が多いです。
県外の方からも問い合わせいただく事もありますが…
先ほどもお伝えしましたが、身近な上小漁協【長野県東信地区】のフィールドなら渓相のイメージが出来るんですが…。
知らない渓相をイメージしながらオーダーに応えていくのは難しいですね。ある程度アングラーの方と意見交換をして摺り寄せていく事が大事です。自身のイメージしているルアーとアングラーが求めている渓相を融合させながら対応できるルアーを製作していく事が目標ですかね。
お互いのイメージが合致した瞬間!
釣果報告を聞く時が一番ホッと製作して良かったと思える瞬間かな!
SHYUーさん今回は細かい解説ありがとうございました!
これからも、素晴らしいルアーをアングラーの皆様にをお届けください✨
SHYUーさんへの問い合わせはこちらからお願い致します🔍️【インスタグラム】
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